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お金持ちになることは重要か?

Suda Note | 社長ブログ
2012.02.07

20120207

「お金持ちになること、有名になること、偉くなることを、人生の目的にしてはいけない。」

….ある社長と雑談していた時に聞き、「深い言葉だ。」と思ってメモをしました。

言葉の出所は「世界最小、100万分の1グラムの歯車」を製作してギネスブックに載ったことで知られる、樹研工業の松浦社長だそうです。
この会社は「人材採用にあたっては一切の選考をしない。履歴書も見ず、先着順に合格させる」などの大胆なしくみや、継続的に高収益であることでも知られています。

さてこの言葉ですが、なぜ深いと思ったかというと、人間というものは欲望(広い意味で)を満たすためにこそがんばる存在であり、その一方、欲望そのものを目的にすると堕落するという、矛盾を抱えているものだと考えるからです。

会社を創業する人というのは、人一倍「欲望のエネルギー」が高いと思います。
私なりに多くの創業経営者とつきあってみた結果、これはもう例外なくそうだと言えます。
一見、善の固まりのように見える某社の某社長でも、よ~くつきあってみると、欲望エネルギーの尋常ではない強さを感じます。「欲望」というと誤解されるのであれば、「夢」と言い換えてもいいでしょう。

善人志向や道徳心の固まりだけでは、会社経営は決してできないと私は思います。
あふれ出てきて止まることのない欲望のエネルギーを持っていることが、基本。そしてそれをうまく制御して、世のため人のために活かせたとき、ビジネスは長期にわたって成功するのではないでしょうか。

経営者に限らず本来は人間全てに当てはまる話だとも思いますが、少なくとも経営者には100%当てはまります。だからこそ、冒頭のようなメッセージが戒めの言葉としてあり、これが多くの経営者の心に響くのだと思うのです。

お金持ちになるのも、有名になるのも、偉くなるのも、全ては別の目的を実現するための手段として使うべきものです。

ドラッカーは、「組織の利益や成長はマネジメントの目的ではない。それは条件だ。」と書いています。英語ではなんと書いているのでしょう? でもこの日本語で十分に伝わります。すばらしい翻訳です。

強い欲望エネルギーを持つことは、間違いなく、リーダーの条件のひとつでしょう。
自制心をもってこれを制御し、自分や他人や社会のためにこれを使う。
そして、結果(=条件)としての豊かさを手に入れます。必ず手に入れます。
しかしこれに対して一切の執着心を持たないことですね。手に入れることが目的ではないのだから。

・・・そうできたならば、どんなにか気持ちのいいことでしょう!
でも本当に難しいことですね。
私は、まだまだです。

(2009年2月2日の記事に加筆)

須田騎一朗
ユナイトアンドグロウ代表
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