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Suda Note | 社長ブログ

見積をつくらない営業 - ユナイトアンドグロウ株式会社

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2024.11.25

先日ある社員から「須田さんの13年前のブログを読みました。今、考え方は変化しましたか?」と質問されました。何のことか聞いてみたところ、

見積もりません発注確定までは
https://www.ug-inc.net/blog/sudanote/archives/1018

・・・この記事のことでした。なんだか妙な題名ですが、「営業にあたって見積はつくらない。発注が確定するまで見積書は出さない。そのほうが良い仕事になるし、受注確率も上がる」という、独自の考えを述べたものでした。当社にはこれがフィットしているので、「今も変わらないですよ」と答えました。

当社創業の初期の頃(2005〜2009年頃)の話となりますが、「中小企業のためのITサポート」というサービスが全然売れなくて、私たちは赤字に苦しめられていました。

創業3年でなんとかギリギリ黒字になるかと思いきや、リーマンショックの波がきて3年目も赤字。4年目は景気後退がさらに本格化し、極めて厳しい状況となりました。そこで、コストダウンの一環で営業部門の廃止を決定。「全員がシェアード社員となってお客様先で働こう。そして全員が営業を兼務してお客様を開拓しよう」という方針に切り替えました。営業部長は私が兼任し、私もシェアード社員としてお客様を持ちました。

そして、こんな方針で営業しました。

  • 一度商談をしたら、何か絶対に受注するのだという決意で話を進める。
  • 受注がほぼ確定するまで見積書はなるべくつくらない。がまんする。
  • 見積をくださいと言われたら、「いくらでつくれば良いですか」と試しに聞いてみよう。新しい話が聞けるかもしれない。
  • 金額のイメージは、その場で、口頭で伝える。口頭だから、安めに言ってみても良い。3倍〜4倍の幅を持たせて説明するのも一つの技術。

商談をすると、お客様は「見積をください」とすぐにおっしゃいますね。しかし見積を出してしまうと、YES・NOのボールがお客様に渡ってしまいます。私たちは絶対に受注したいので、Noの可能性をゼロにしたい。だから発注が確定するまで見積は出さない、耐える、という方針で臨んだわけです。

私が手帳に記録をとっていた実際の受注成功率は、3年間の平均で50%でした。
2件に1件を受注していたわけですが、その当時のみんなの努力がひとつのカルチャーとなり、強みとなりました。

ブログのきっかけをつくってくれた社員に、以下のような補足もしました。当社の営業方針を知っていただくためのご参考になれば幸いです。

「発注ほぼ確定」まで見積書の作成をガマンする

  • 「見積を複数集めて比較したい」というのが、お客様の初期ニーズかもしれないが、しかしそれだと他社さんのほうが良いかもしれない。当社としては100%の確率で受注したいので、違う土俵で戦う戦略でいく。そのための覚えやすい標語が「見積はつくらない」の真意。
  • 例えば「他社さんの見積が適切かどうかを、判断させていただくのが我々の仕事です」と言ってみたらどうか?他社の見積を通じて、実は我々も勉強になる。
  • その仕事を、お客様の説明どおりに実行すると160時間くらいかかりそう。しかし、もっと深く考えれば80時間に短縮できるかも。さらに内容そのものを見直せば、30時間で対応できるのではないか?・・・そのように考えると、あわてて見積を出すのは間違いだ。
  • お客様が感じる課題や仕事内容をお聞きしたが、それは本当に正しいだろうか?「一緒に働きながら課題を明らかにさせてください」と言って、働き始めるほうが適切ではないか?
  • どんな小さな仕事でもいいからまずは受注して、スモールスタートから始める。お客様と会話をし続ける中で本当の課題を見出して、ご支援の範囲を拡大するのがベストだ。慌てて見積を出すのは大変もったいない。

メモと鉛筆だけ持っていく

  • どんなことができる会社かを先にお客様に伝えてしまうと、その時の説明内容に限定された提案になってしまう。他にもたくさん違うことができるはずなのに。
  • 営業は手ぶら(ノートと筆記具だけ)がいい。現場へ行って、必死にメモを取りながらお話しをお聞きすると、いろいろ学べる。また、初期商談の段階でパソコンを開くのはやめておこう。お客様の目を見る時間が減るし、ノートPCのスクリーンが心理的な「壁」をつくってしまうから。

このような姿勢で臨むことによって、「特定の課題だけをやってくれる会社なら他にもあるが、小さく始めてからテーマを拡げてくれるのはユナイトアンドグロウだけだ」などと理解していただけるようになれば最高ですね。

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